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患者向け説明動画の「ナレーション」で大切な3つのこと

こんにちは、オペリブログにアクセスいただき、ありがとうございます。


オペリブログでは、医療機関の組織運営や業務改善にまつわるトピックを発信していきます。


今回は、病院が提供する患者説明動画の「ナレーション」について取り上げます。

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患者向け説明動画の「ナレーション」で大切な3つのこと

患者向け説明動画の「ナレーション」で大切な3つのこと


本稿は、音質・ナレーションの効果の話をご紹介しながら、弊社の動画コンテンツの音声監修を行なっているSAEKIアナウンススクール代表の佐伯さんに話を伺いながら、患者向け説明動画のナレーションで大切なことを紹介します。


患者向け説明動画のナレーションで大切なのは、以下の3つです。

  1. クリアな音質で録音すること

  2. 「不安」と「面倒」に寄り添いながら、理解の助けとして提供すること

  3. 顔をあげさせてくれる「声」で提供すること

なぜこの3点なのかについて、詳しく説明していきます。



WEB会議の疲労感の原因は音にあった


動画のナレーションに入る前に、わたしたちが日々接している、音質の話をします。


新型コロナウイルスの蔓延にともない、一般企業のみならず、医療機関でもWEB会議が当たり前になりました。

筆者自身も医療機関の方とお話する際に、オンラインで会話することがとても多いです。

そのときにどうしても感じてしまうのは、「疲労感」。

対面の会議ではそこまで疲れない気がしますが、オンラインでの会議が続くと、なんとなく疲れてしまいます。

オンライン会議での披露

NTTデータ経営研究所とシュア・ジャパンが2022年に行った調査によると、Web会議の「疲労感」や「会議内容の理解不足への不安感」の要因は、以下と報告しています。

1. 音質が悪い会議は、内容が理解されないだけでなく、参加者にストレスを与える。 2. ストレスの原因として、特に認知機能に対する負荷が高まる傾向がある。負荷が継続すると認知機能が低下し、理解力や判断力、反応のスピードといった会議参加にとって重要な能力が鈍くなる。 3. 会議の内容が理解できないことによるストレスは、会議の後半にかけて蓄積されていく。

病院の患者向け説明動画に置きかえると

  • 音質が悪いと、患者の認知力は低下する可能性がある。

  • 音質のせいで、説明内容を理解してもらえない可能性がある。

と考えられるため、


クリアな音質でわかりやすい音というのが大切なことがわかります。



YouTube広告でもナレーションが重要


私たちが日頃触れているYouTube内の広告でもナレーションは重要なポイントとして考えられています。


YouTubeを視聴する方は、動画コンテンツの前に表示される広告に嫌気をさすことが少なくありません。

ネガティブな感情を抱きやすい視聴者に、YouTube広告として伝えたいメッセージを伝えるのは容易ではありません。


そんなときに効果的なのが「ナレーション」です。

ナレーション

YouTube広告において、ナレーションあり・なし を比較した場合、

  • ナレーションありのほうが、なしより、視聴率が2 points 増加した

  • 広告視聴後の商品ページクリックについては、ナレーションありは、なしより3倍の効果があった

というデータもあります(Infinity Agent Lab)。


つまり、動画にナレーションが乗ると、視聴者の興味や理解を深めることができることがわかります。



患者向け説明動画の「ナレーション」で大切なこと


前段が長くなりましたが、動画において音質とナレーションが重要であることはご理解いただけたかと思います。

では、病院が提供する患者説明動画では、どういうところに気をつければいいでしょうか?


弊社ポケさぽの動画コンテンツの音声監修を行なっているSAEKIアナウンススクールの佐伯さんに、患者説明動画の音声録音のポイントを訊いてみました。

※SAEKIアナウンススクールは、東京キー局や全国の放送局に高い内定率でアナウンサーを送り出しているアナウンススクールです。

SAEKIアナウンススクール 代表の佐伯衞駿さん
SAEKIアナウンススクール 代表の佐伯衞駿さん

ー 弊社OPEReが提供する「ポケさぽ」内の動画コンテンツのナレーションを監修いただき、ありがとうございます。佐伯さんが患者説明動画のナレーションを監修する上で気をつけていることはありますか?


動画コンテンツに音声を乗せていくときに、患者さんの「面倒」と「不安」に寄り添いながら、理解の助けになるというのを一番意識しています。


病院に通う方々は、私の認識では「面倒」と「不安」を抱えられています。

  • 病院に通う方々が面倒と不安を抱えた状態で、動画のナレーションを聞くと説明がくどすぎると、「わかってるよ」という感情をいだきやすく

  • 説明が淡白すぎると、「なんでもっと説明してくれないの?」と感じやすい

と考えています。


監修する際は、病院の伝えたい側と患者の受け取る側の間に立つような形で音声を届けたいと思っています。



ー 伝え方もありますが、声自体にも大きな役割があると思います。動画における「良い声」とはどんな声なのでしょうか?


私が考える良い声とは、顔をあげさせてくれる声です。


動画を通して受け取る側と時間を共有すると考えているので、声も時間を共有するための重要な要素の1つだと考えています。


先にも言いましたが、患者さんは面倒と不安を抱えた状態で、患者説明の動画を見ることになります。


面倒と不安に対して、寄り添いながらも適切な距離感で声をお届けできるかが、患者説明動画の音声では重要だと思います。



ー 「感情を乗せてながら、聞く人を惹きつけなければならない」プロの仕事というのがよくわかりました。お話を聞かせていただき、ありがとうございました。


佐伯さん監修の音声の例


まとめ


今回は、WEB会議の音質やYouTube広告の話から、弊社の動画コンテンツの音声監修を行なっている佐伯さんに話を織り交ぜ、病院が提供する患者説明動画の「ナレーション」について紹介しました。


改めて患者向け説明動画のナレーションで大切なことをまとめると、以下の3つです。

  1. クリアな音質で録音すること

  2. 「不安」と「面倒」に寄り添いながら、理解の助けとして提供すること

  3. 顔をあげさせてくれる「声」で提供すること


多くの病院で、患者説明動画を作成されていると思います。

今後新しく動画を作成していく際に、「映像」だけでなく「ナレーション」にもこだわってみてはいかがでしょうか。



参考文献

  • IT Leaders編集部. “Web会議のストレスは音質の悪さから、理解力や反応速度に影響─NTTデータ経営研とShure”. IT Leaders. https://it.impress.co.jp/articles/-/23316 (2023. 1. 20)

  • Infinity Agent Lab. “【YouTube広告】 ナレーションありなしでの効果の差は?”. https://infinity-agent.co.jp/lab/youtube-narration/ (2023.1.24)

  • SAEKIアナウンススクール https://saeki-announce.jp/ (2023. 1. 20)


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