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筑波大学からの紹介で臨床研究を実施。妊産婦さんの理解度や助産師の業務改善に効果はあったのか? | ポケさぽ第1回ユーザー会 事例発表 茨城西南医療センター病院 様

PFMをベースにした患者説明システム「ポケさぽ」の導入医療機関を対象に、株式会社OPERe(以下、OPERe)は、2024年5月24日にオンラインにてポケさぽ第1回ユーザー会を開催しました。

ユーザー会の中で、ポケさぽをすでに導入・運用している医療機関の中から、事例発表としてポケさぽの活用についてお話しいただきました。



ご発表者



24時間体制で地域の救急医療を担う


茨城西南医療センター病院は、茨城県西地域の中核病院として、あらゆる疾患に対応できる体制を整備してきました。特に、第三次救急に対応する「救命救急センター」を設置し、24時間体制で診療に当たっており、県内はもとより隣接する千葉県、埼玉県、栃木県などからも救急車を受け入れ、地域における救急医療の最後の砦として活動しています。ポケさぽを導入した当院の産婦人科も、地域周産期母子医療センターとして茨城県の県西地区の周産期医療を支えています。


茨城西南医療センター病院のウェブサイトより


産科領域でのポケさぽ活用に関する臨床研究


妊婦健診では、助産師さんが妊産婦さんに対して都度その週数に応じた健診検査内容、入院準備、分娩後の退院指導や数多くの紙資料提供などを行う必要があります。分娩後の退院指導では、説明に要する平均時間が初産婦さんで平均18分、経産婦さんで平均12分、そして外国人妊婦さんだとそれ以上の時間がかかっていました。


これらの定常業務をDX化したいと考えていたところ、筑波大学つくば臨床医学研究開発機構よりOPEReの「ポケさぽ」をご紹介いただきました。2022年9月からの半年間、ポケさぽを用いた臨床研究を開始することとなりました。



臨床研究は、以下の方法で行ないました。

  • 分娩予定日が確定した時点で妊婦さんにポケさぽを登録してもらい、週数に応じた情報提供を行う。

  • 研究対象:妊産婦69名、病棟助産師・看護師

  • 研究期間:2022年9月~2023年1月

  • 評価方法:患者の理解度・満足度・スタッフ業務軽減効果・効率化に関するアンケート調査



ポケさぽを活用し始めての気付き


ポケさぽでDX化したコンテンツは、説明は音声付きで非常に分かりやすく、妊婦さんが困った際に問い合わせるべき電話番号の案内、またその時に病院に伝えてほしい事項(診察券番号、分娩予定日、病院までの所要時間など)が一画面で表示でき、非常に明確です。


妊婦さんの入院経路の案内も、日中か夜間休日かで異なりますが、LINEを通じて週数に合わせて、院内写真付きの案内にすることで、妊婦さんが迷うことなく来院していただくことができると思いました。


臨床研究の結果


半年間の臨床研究の結果は、ご報告します。


まずは、妊産婦さんによるアンケート回答結果です。

妊婦検診、入院準備、退院指導それぞれ説明を、ポケさぽで受け取ったことに関してアンケートしました。


いずれの説明に関しても、「分かりやすかった」「役に立った」がほとんどを占めております。


スマートフォンを使用した情報提供についての妊産婦さんアンケートも、1名を除いて「いつでも見ることができる」「便利」というポジティブな評価をいただいています。


続いて、当院スタッフへのアンケート結果です。


時間がかかっていた退院指導の説明は、約8割のスタッフが短くなったと回答し、説明時間はおおよそ半減しました。妊産婦さんの理解度を低下させることなく説明時間の短縮し、加えて退院指導の行いやすさの向上に繋がっています。



スマートフォンを使用した情報提供についてのスタッフへのアンケートについても、9割以上のスタッフがポジティブな回答をしています。


以上の結果から、情報量の多い各種説明でのポケさぽ活用は、妊産婦さん及び当院スタッフともに肯定的な反応が多く、妊婦健診における情報提供のDX化は有用であると考えています。



外国人患者さん対象のポケさぽ利用も開始


当院の外国人妊婦さんは年々増加傾向にあり、現在およそ全妊婦さんの16%が外国人妊婦さんです。口頭での説明に非常に時間がかかっていたので、ポケさぽ英語版構築をOPEReさんに依頼しました。2023年5月からポケさぽ本契約に併せて、英語版活用もスタートしています。動画音声も説明文も全て英語となっており、増える外国人患者さんに対してもより良いサービス提供に努めています。



--発表はここまで--


ユーザー会 事例発表 茨城西南医療センター 様


茨城西南医療センター病院 産婦人科医師 野口様と助産師 谷島様の事例発表、いかがでしたでしょうか?

改めて発表をまとめると、以下の3点にまとめられます。


  • 筑波大学つくば臨床医学研究開発機構との臨床研究でポケさぽ活用効果が実証され、本導入に至った

  • 妊婦健診において、説明業務をDX化することは、妊産婦さんにおいてもスタッフにおいても効果的かつ有用である

  • 英語版ポケさぽも導入し、外国人妊婦さん向けにも活用対象を広げている


臨床研究からスタートし、研究の結果としてポケさぽを本格導入し、いまは外国語対応にまで利用を拡大している事例発表でした。


茨城西南医療センター病院様に導入数ヶ月で実施したインタビューは、こちらからご覧いただけます。


ポケさぽ第1回ユーザー会 事例発表では、他の医療機関からの発表もございました。引き続き記事していきます。よろしければ、記事の下にあるOPEReメルマガにぜひご登録ください!


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